Creepy Nutsがラジオ:オールナイトニッポン0で野音でのフリースタイルラップを書き起こし。歌詞を元ネタ有りで赤裸々劇エモ解説。DJ松永曰く「文脈に愛された男」

Creepy Nuts ラジオ番組

2020年4月27日火曜日深夜27時〜28時30分にニッポン放送系で放送されました「Creepy Nutsのオールナイトニッポン0」の中で、4月24日(土)に開催された「Creepy Nutsのオールナイトニッポン0 presents 日本語ラップ紹介ライブ in日比谷野音」の中で魅せたRー指定のフリースタイルについて、DJ松永が書き起こし、読み上げ、それについてRー指定が解説するという劇エモなコーナーがありました。それについて紹介していきます。文脈の愛された男、Rー指定。当日、出演してくれたLibeRty Doggs(リバティドッグス)、般若、RHYMESTERそれぞれに対する熱い思い、リスペクトを感じることのできる解説をぜひ最後までご覧ください。

Rー指定のフリースタイルアンサーバース歌詞 文字起こし

書き起こしたのはDJ松永さんです。ラジオの中で、急に「スマホに書き起こしたんだよ。」と始りました。即興で奏でた物を、丁寧に解説させられ、恥ずかしそうにしていたRー指定さんですが、だんだん熱量が高まっているのが伝わりました。

 

明日から歌ってる場合じゃないんだ

そうだ なら マイクロフォン使って大脱走だ

柄悪いかどうかだけじゃ はかれん価値

聞こえたろ 令和の大麻合唱(合掌)が

根こそぎ持ってった あの一番鬼のせいで

狂ったいちラップジャンキー

まだだ まだだぞ まだだ まだだぞ

あの頃じゃねぇ 今響かせる野音

14歳 部活帰りの夕焼け 敗者復活戦1バース目

24歳 クラブ帰りの朝焼け 敗者復活戦2バース目

数%覆すマイスタイル前略ブルーなケツした ナイスガイ

でも 俺たちのルーツはあくまで あんたらとは言っておきたいぜ パイセン




フリースタイルの元ネタ①RHYMESTERのアルバム「POP LIFE」より「そしてまた歌い出す」(2011年)

「明日から歌ってる場合じゃないんだ そうだ」

という歌い出しは、RHYMESTERのアルバム「POP LIFE」に収録されている「そしてまた歌い出す」というの楽曲からのフレーズでした。3.11に起きた東日本大震災後にライブなどエンタメなどやっている場合じゃないと、世の中全体の音楽活動が止まった時のRHYMESTERなりのアンサーソングでした。このイベントの翌日から緊急事態宣言が稼働しまたエンタメが止まってしまう、ということもあり、この歌い出しを用意していたそうです。

ECD(イーシーディ)/大脱走(2000年)

そうだ なら マイクロフォン使って大脱走だ

「ないんだそうだ」にかけた「大脱走だ」の大脱走はサンピンキャンプの主催者ECD(イーシーディ)の「大脱走」から来ているのか?とスタッフの方に言われたそうですが、これは韻を踏んだ結果がたまたまそうなっただけだそうです。

こうなると、文脈の方からRー指定に寄り添ってきている状況となりました。もはや、「文脈に愛された男」となりました。その状況をDJ松永は「Rー指定は、文脈を収納する容器。」と揶揄していました。

フリースタイルの元ネタ②LibeRty Doggs (リバティドッグス)/ 柄悪いけど(2020年)

柄悪いかどうかだけじゃはかれん価値

これはリバティドッグスがイベントでも歌った「柄悪いけど」の歌の中でも伝えているメッセージの通りですね。この日が初対面だった、リバティドッグスに対してもリスペクトを忘れない、Rー指定の姿勢が胸アツですね。

フリースタイルの元ネタ③妄想族(もうそうぞく)/大麻合掌(たいまがっしょう)

聞こえたろ 令和の大麻合唱(合掌)が

こちらは、般若さんが元々所属していたグループ「妄想族」の伝説の初期の頃の楽曲「大麻合掌」を若手たちが今にも引き継がれているという想いが込められていました。「リバティドッグスなんて、まさに大麻合唱(合掌)だった。」とRー指定が語っていました。柄は悪いけど、熱い奴らって意味で当時の般若さんと現在のリバティドッグスが重なっている、ということも意味されたようです。

フリースタイルの元ネタ④般若/根こそぎ(2005年)

根こそぎ持ってった あの一番鬼のせいで 狂ったいちラップジャンキー

妄想族の中で、般若さんは1番目の鬼という意味を込めて「一番鬼(いちばんき)」と呼ばれ、特攻隊長とされていた。一番鬼に俺は根こそぎ持ってかれた、というRー指定が若かりし頃ハートを鷲掴みにされたことを思い出してのリリックでした。「根こそぎ」というのは2005年にリリースされた般若さんのセカンドアルバムのタイトルでもありました。込められた意味と想いが深すぎます。

フリースタイルの元ネタ⑤般若/最ッ低のMC(2009年)

「〇〇のせいで狂った」というのは、「最ッ低のMC」という曲の「ギドラ ブッダ 雷 ペイジャー オレが狂ったのは奴らのせいさ」という歌詞をインスパイアしたそうです。だから「一番鬼と呼ばれた般若さんのせいで狂って、いちラップジャンキーに俺はなったんだよ」という意味が込められていました。

前半までの解説を聞き、DJ松永は「ここまでで、すでに胸焼けしている」と語っていました。確かに、この短いフリースタイル の中にどれだけの楽曲と歴史を踏んでいるんだ!と解説を聞いて驚きを隠せませんでした。配信で繰り返しイベントの動画を見ましたが、この丁寧な解説を聞くことで理解が深まるとともに、Rー指定のラップ愛を知り、ますますCreepy Nutsが好きになってしまう、という流れでした。

やっとここから後半です。



フリースタイルの元ネタ⑥RHYMESTER/耳ヲ貸スベキ(1999年)

まだだ まだだぞ

これは、サンピンキャンプで初披露された曲RHYMESTER「耳ヲ貸スベキ」をかけるタイミングじゃない時にDJが流してしまいその時に、Mummy-D(マミーディ)さんが「まだだ まだだぞ」とちょっと出し惜しみしてから、披露したという日本語ラップ界の伝説の名フレーズで、当時のHIPHOPのステージではそれを真似る人が続出するほどでした。この「まだだ まだだぞ」のやりとりは曲の後にも再現されていました。

フリースタイルの元ネタ⑦般若/あの頃じゃねえ(2016年)

あの頃じゃねぇ 今響かせる野音

「あの頃じゃねえ」は2016年にリリースされた般若さんの楽曲です。今響かせる野音は、あの頃のサンピンキャンプにいつまでもすがっていないで、今の日本語ラップシーンを、今日の野音に響かせようぜ、というメッセージでした。

フリースタイルの元ネタ⑧RHYMESTER/敗者復活戦(1999年)

14歳 部活帰りの夕焼け 敗者復活戦1バース目 24歳 クラブ帰りの朝焼け 敗者復活戦2バース目

このフレーズが一番DJ松永を身震いさせたものでした。

こちらは1999年にリリースされたRHYMESTERの「敗者復活戦」という楽曲よりでした。原曲では1バース目ではmummyーDさんが、サッカー部のベンチだったけど、その悔しさを胸に音楽の世界で活躍したというもの。2バース目では宇多丸さんが、ラッパーとして人気があったけど、売れなくなってしまっている、周りに置いていかれてどうしよう、という現状からの、でも諦めずに最後の力振り絞ってペンを持ちリリックを書き出すところで終わっている歌なんです。それに対し、1バース目の歌詞は14歳の中学生時代、ラップはまりたてのRー指定さんにどハマりした歌詞でした。同じくバスケ部でベンチだったRー指定はその悔しい思いを抱えながら、部活帰りに聴いてそっちで頑張っていこうと思った曲でした。さらに、24歳でラッパーとして仕事があるかないか、フリースタイルでは有名だけど、音楽では食えてはいない、という状況。10年越しでRHYMESTERにやられてというエピソードでした。

DJ松永「この数行で自伝書いちゃっているよ」「それに感動した」「泣いちゃったよ」と相変わらず相棒愛を語っていました。

フリースタイルの元ネタ⑨RHYMESTER/前略(2001年)

数パーセント覆すマイスタイル 前略ブルーなケツした ナイスガイ

小さい可能性であっても、それを覆してきたのが「Creepy Nuts」のスタイル、ということでマイスタイル。「前略ブルーなケツした ナイスガイ」というのは2001年リリースのRHYMESTER「前略」という曲の歌い出し・サビのフレーズ、そのまんまでした。未来の自分から過去の自分へ書いた手紙で、14歳、24歳でうまくいかなかった状況を未来の俺を切り開いているぞ!と過去の自分に伝えたい、という曲でした。

フリースタイルの元ネタ⑩RHYMESTER/Future Is Born(2017年)

でも 俺たちのルーツはあくまで あんたらとは言っておきたいぜ パイセン

これはいうまでもなく、RHYMESTERの「Future Is Born」の「オマエらのRoots(ルーツ)はあくまでオレだとは言っておきたいぜ!」のアンサーになっています。

最後に、このフリースタイル の解説をさせておいて泣きそうになってしまうDJ松永でした。Rー指定の自伝でもあり、DJ松永の自伝でもあり、リスナーの自伝でもある、と熱く語っていました。



Rー指定が野音で魅せたフリースタイルの解説 まとめ

この短いリリックの中で、これだけ多くの曲を入れ込み、自分の経験を入れ、聞いている人が共感できる部分を作ったRー指定さんはまさに、日本一の日本語ラッパーであることが証明されたのではないでしょうか。今回はオールナイトニッポンゼロで解説がありましたが、解説がなくても、ただ聞いていて気持ちのいいリズム、アンサーになっていることも伝わる、この聞くたびに味わって楽しめるギミックもすごいですね。発売された楽曲を聴くのもいいですが、やはりCreepy Nutsにはどんどんライブをしてほしいと思いました。

最後まで、お読みくださりありがとうございました。

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